家事の値段

母の日にちなんでこんな記事。

海外総合ニュース - 5月4日(木)15時1分 主婦業、年1500万円に相当=裁判官にも匹敵−米社試算

引用>
シリコンバレー3日時事】炊事洗濯から育児までこなす専業主婦の働きは裁判官並みの年俸13万4121ドル(約1520万円)に相当―。雇用情報を提供する米サラリー・ドット・コム社は3日、母の日(14日)を前にこんな試算を発表した。
 主婦の作業時間は週91.6時間と、会社の平均就労時間の2倍以上の激務。同社は、保母や料理人、家政婦、運転手など主婦がこなしている主な役割10項目について、それぞれの作業時間から得られるべき賃金を積算した。
 また職業を持つ母親については、週49.8時間を家事に使っており、年8万5876ドル(約980万円)の「ボーナス」受給資格があるとしている。
 同社サイトでは、子供の数や家事の時間を入力すると、それに相当する年俸が表示されるサービス「母さんの給料明細書」も提供。同社関係者は「母親の仕事がいかに大きな経済的価値を社会にもたらしているか、知ってもらえれば」と話している。調査は母親400人を対象に実施した。 
時事通信) - 5月4日15時1分更新

引用おわり>
オリジナルのサイト Mom Salary Wizard 2006 に行って、我が妻(専業主婦)に話を聞きながら、彼女の給料を試算。

Regular Hourly Rate $23.41 x 2,080hr $48,698
Over Time Rate $35.12 x 1,378hr $48,394
計                    $97,091  (大ざっぱに約1000万円)

こんなに払えませんよ。(気持ちはあるのですが、自分の分が何も残らなくなり、持ち出しになりそうです)
それでも一緒にいて頑張ってくれているのは、お金という形ではなく別の理由なのだ、というのが良く分かる。というより夫婦や家族の愛というのは見返りを求めないunconditional loveなのだろう。全てお金で解決しようとするとうまく行かない。夫婦はある種の契約関係ではあるが、純粋な契約でもない。

イデアとして、主婦は家族の身体的、心理的健康をサポートすることで、元気に働けるのだから、給料はサポートをしている主婦の分も含めて払うべきだ、という主張もできるかもしれない。

しかしそうすると既婚者への給料は単身者の倍以上かかることになり、会社は単身者を優先的に採用するー>既婚者の職場が減るー>結婚への敷居が上がり、結婚をする人が減るー>子供が減るのデフレスパイラル

このような提案は良くない。

ちなみに、記事にある「同社は、保母や料理人、家政婦、運転手など主婦がこなしている主な役割10項目について、それぞれの作業時間から得られるべき賃金を積算した。」の部分だが、オリジナルのサイトで個別化をすると、その10の職業と、試算の元になる時給をみることが出来る。
Housekeeper        $9.60
Day Care Center Teacher  $13.31  (保母さん。子育ての部分)
Cook            $15.43
Computer Operator I     $15.19  (家計簿の打ち込みなど?)
Laundry Machine Operator   $9.04   (洗濯)
Janitor            $11.39   (掃除)
Facilities Manager      $38.34    
Chief Executive Officer    $165.50  (家計のやりくりの判断など家を会社とした時の重要な判断)
Van Driver          $15.34   (家族の送迎)
Psychologist         $35.56   (家族の仕事や学校での愚痴を聞いたり、なだめたり)

社長の仕事(CEO)の時給が断トツ。続いて、マネージャー、心理学者が続く。厳密に主婦の仕事のどの部分を指すのか分からない仕事もあるが。

オリジナルのサイトでは、最後の試算結果が給与明細の形で表示され、したに「印刷する」「家族や友達に結果を送る」のボタンがある。

アメリカらしい。

デモそのような仕事をしていることをきちんと認めてあげることは大事だ。母の日、ちょっとした贈り物をしましょう。

妻にこの話をしたら、「あなたが日本に与える影響を考えるとあなたの仕事の時給は算定できないわ(priceless)」と。出来た妻だ。

でも、こんな人のこんな言葉が思い出される。
B・ゲイツ氏、「お金持ちでなければよかった」

引用>
ゲイツ会長は「リッチでなければよいのに。何もよいことはない」と語り、その理由として「余計に注目されてしまうから」と話した。
引用終わり>

自分は金持ちではないが、いわゆる有名税というヤツ。
やっぱり人目を考えて、言いたくても黙っていることもいろいろとある。
給料の支給方法がお金だけでなく、代わりに時間でもらえるといいのに。大変な仕事をしていれば居るほど1日の時間が長くなるような。
結局、お金で時間は買えない。働けば働くほど今のこの自分、三十台の戻ってこないこの時間は失われていく、そして自分の為の時間が減っていく。
人生の使い方というのは難しい。

追記>
主婦の給料の試算の詳細はWhat Is Mom's Job Worth? Working Mom vs. Stay at Home Mom Salaries For 2006
親サイトのhttp://www.salary.comではその他の職種について、州ごとの平均値などを調べられるようになっています。就職の際の給与交渉の根拠に使ったりするのでしょう。医師の給料はありませんでしたが。