バランス感覚

表題の話題、というより、トラックバックの練習のために作っていますが、それなりに意味のある内容をと、と思いましたので、HajさんのBlogから。医学教育の視点から見たときに、この事例は非常に良いdiscussionのタネとする事ができます。一つは教育の現場におけるいくつものジレンマ(相対する2つの観念、ニーズを同時に成立させなければならないという)の問題があります。簡単に言ってしまえばバランス感覚なのですが(当然、臨床医としても必要)、この事例では患者の安全性と学習者の主体性や裁量権、安全な医療と効率的な医療(この場合時間をかけないという意味)という2つのジレンマでしょう。
意識の置き所というのは、よく似ていると思うのですが、この指導医の意識は自分の安全性の方が学習者のニーズよりも優先しているために学習者のストレスとなっています。指導医の意識を完全に学習者のニーズに合わせると(遅れないように診療したい、自分はわかっている「つもり」なので確認だけしたいなど)指導医の側に、自分としては確認したかった事が確認できなかった、学習者はわかっているというがその確認ができないために患者に安全で適切な医療が提供できたの確認ができない、学習者が気づいていないニーズに対して指導医が介入するチャンスを逃すなど、いろいろと指導医の側にストレスを生じたり、そこで学習者が学ぶべき事項がそのままになったり、という事も生じます。
一言でバランス感覚とは言うものの、これがいちばん難しいです。

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