今朝子供が鼻水。ブドウ味の鼻水止めシロップを味を知らせずに飲ませる。
「どんな味?」と聞くとしばらく考えて。
「ワインみたい」と。
まいった。飲んだ事あるんか?
「人間は自分が経験したものの範疇でしか世界を理解できない」
学習理論の原則。
うちの子供にとって、紫色のああいうにおいの液体といえば、ブドウジュースではなくてワインの方がずっと目にする頻度が高いのだろう。
大ざっぱな言い方をすると3次救急の医師にとって胸痛は大動脈解離、肺塞栓、心筋梗塞、緊張性気胸など。循環器の医師にとっては心筋梗塞、不整脈、大動脈解離、肺塞栓など、消化器の医師にとっては逆流性食道炎、胃潰瘍など。
でも本当の頻度は(全年齢をおしなべれば)器質的原因のないもの、不安によるもの、肋軟骨炎(筋骨格系)で8−9割だろう。
プライマリケアの現場を見たことのない医師にそのだいご味はわからない。鑑別診断も正しく挙がらない。