昼寝の効用

以前にも言われていましたが、朝日新聞で以下の記事。

昼寝15分で成績アップ? 高校で調査「能率上がる」2005年08月30日23時31分

以下引用
調査は久留米大学医学部の内村直尚・助教授(精神神経科学)らが、県立明善高校(久留米市)で、約1000人の生徒を対象に40日間行った。

 昼寝の効果を確認するため、まず5月に全生徒にアンケート。「平日に十分睡眠時間がとれていない」と答えた生徒が61%、「午後の授業中、我慢できない眠気を感じる」は88%にのぼった。

 6月から、45分間の昼休みのうち午後1時15分からの15分間を昼寝タイムに設定。校内放送でモーツァルトを流し、寝たい生徒は机に突っ伏したり、いすに座ったりした状態で昼寝した。

 40日後に再びアンケートしたところ、週に1度でも昼寝した生徒は208人。このうち6割以上が「授業に集中できる」「勉強にやる気がある」と答えた。一方、この時間を予習復習や遊びにあてて昼寝をしなかった計744人では、いずれの答えも4割台だった。

 「(授業以外でも)勉強の能率が上がった」「最近の成績が上がった」と答えた割合も、昼寝した生徒のほうが高かった。

引用終わり

ああそうか、それでどこの医局でも昼休みはみんな昼寝してんだ。

関西の開業医さんも昼休み長いし。

なんて。医者は単に疲れているだけかも知れない。(その疲れを取るから能率が上がるのでしょうが)

単純に6割と4割で考えるとARRが20% NNT=5 。15分のモーツァルトで得られる効果なら悪くない。(害もないし)

この次のステップはselection biasがあるので、昼寝する人としない人を無作為に割り付けること。アウトカム評価としては
「授業に集中できる」「勉強にやる気がある」「(授業以外でも)勉強の能率が上がった」という「反応」レベルの評価(これはkirkpatrickによる最も低いレベルの評価)ではなく、「最近の成績が上がった」というようなperformanceの変化を自己評価ではなく客観的に調べる事でしょうか。

evidence-based educationとして、昼寝が学校教育や臨床教育に正式に取り入れられると面白いな、などと思っています。
Maslowの欲求段階説にもかなっているし。

うちの研修でもやろうかな。

研修医の労働時間の制限も医療ミスの減少に一役買う、などというデータも出てきている事だし。

P.S.うちのカンファレンスで居眠りしている研修医は能率向上のための活動として認可すべきか。